2台のビートル

OEMとは?今更聞けない自動車関連用語解説 Part-7

今更人には聞けない自動車関連用語を解説するこのシリーズ。
7回目となる今回はトヨタ自動車の軽自動車販売開始のニュースでも目にした単語「OEM」についてです。

Original Equipment Manufacturing 即ち「他社ブランド製造」

簡単に言うと製造ラインを持たないA社から委託を受けたB社が製品を作り、A社に納入してA社のブランドとして販売することです。

OEMは別に自動車に限った言葉ではなく世の中には多くのOEM商品が溢れていて、大手デパートやスーパーなどでプライベートブランドとして販売されている商品がこれにあたります。

参考 OEM:Wikipedia

自動車業界のOEM商品の一例

私の知っている自動車のOEM商品をいくつか紹介します。多くの場合製造元のメーカーが自社ブランドで販売している車を他社にも供給しているので、自動車メーカーが違うのに形や中身がほぼ同じ車がOEM商品ということになります。

ただし、メーカーによってはOEMと分からないようにしたいのか独自の内外装に変更してあったりするので一見分かりにくいこともありますが、ボディ形状はほぼ一緒なのでよく見るとOEM商品であることが分かります。

左がオリジナルのもの、右がOEM供給された商品。

ダイハツ「ビーゴ」

ダイハツ「ビーゴ」

トヨタ「RUSH」

トヨタ「RUSH」

左がオリジナルのダイハツ「ビーゴ」で右がダイハツからOEM供給されたのトヨタ「RUSH」です。
ビックリするほど同じですね(笑)

スズキ「MRワゴン」

スズキ「MRワゴン」

日産「モコ」

日産「モコ」

日産ではMRワゴンとの差別化を図るために各所を日産独自の部品に変更してあります。
そのため本家MRワゴンより若干質感が向上しているようです。

スズキ「パレットSW」

スズキ「パレットSW」

日産「ルークス」

日産「ルークス」

こちらも上記同様スズキ→日産へのOEMですがやはり日産によって細部のデザインが変更してあるようです。

スズキ「アルト」

スズキ「アルト」

日産「ピノ」

日産「ピノ」

続いてこちらもスズキから日産へのOEMです。日産「ピノ」の方は現在既に販売終了となっていますが、こんな車種があったとは知りませんでした。

スズキ「ワゴンR」

スズキ「ワゴンR」

マツダ「AZワゴン」

マツダ「AZワゴン」

こちらはスズキからマツダへのOEM車種。よく似ていますね。

スズキ「アルト」7代目

スズキ「アルト」7代目

マツダ「キャロル」

マツダ「キャロル」

こちらもスズキからマツダへのOEM車種。というかマツダが現在ラインナップしている軽自動車は全てOEMなんですね。なんだか寂しい気もします。

ダイハツ「タント・エグゼ」

ダイハツ「タント・エグゼ」

スバル「ルクラ・カスタム」

スバル「ルクラ・カスタム」

こちらは最近スバルから発売されたルクラ。ダイハツからのOEM供給ですが、両者よく似ていますね。

その他のOEM車種
マツダ「AZ-OFFROAD」 → スズキ「ジムニー」
マツダ「スクラムワゴン」 → スズキ「エブリィ」
日産「オッティ」 → ミツビシ「eK」
日産「キックス」 → ミツビシ「パジェロミニ」
日産「クリッパーリオ」 → ミツビシ「タウンボックス」
スバル「プレオ」 → ダイハツ「ミラ」

以外に多いOEMの車種

こうして挙げて見ると以外にもOEMの車って多いことに気付きますね、それも軽自動車の数が多いようです。

近年、車の販売台数に占める軽自動車の割合が高くなってきたことから、軽自動車の製造ラインや設計ノウハウを持たないメーカーは一から作るよりも、他社の車を自社の販売網を利用して売る方がコスト的には圧倒的に有利なんでしょうね。世の中似たような車ばかりになってしまいそうで少し心配です。

少し気になるのが、車や自動車メーカーのことに詳しくない人が例えば道路を走っているワゴンRを見て「あの車欲しい」とスバルの販売店でAZワゴンを買ってしまったりとかいうことが少なからず有りそうな。
本人が全く気付いてなければ問題ないかもしれませんが、姿・形がほぼ同じでメーカー・車名が違う車というのもなんだかなぁという気がしてなりません。

使用した画像の作者様たち
スズキ「ワゴンR」「アルト」 → Kuha455405さん
マツダ「キャロル」 → 天然ガスさん
スバル「ルクラ・カスタム」 → お口チャック

「OEMとは?今更聞けない自動車関連用語解説 Part-7」への2件のフィードバック

  1. OEMは意味が多様で、一義的には決まらないと思います。
    海外の方と話すと、車メーカーは全部OEMと呼ばれてます。ISO16949では自動車製造者をOEM、部品メーカーをTier1やTire2と規定してますので、他社から供給を受ける=OEMという日本での一般的な定義とは異なっています。

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