日産「ピボ」

日産自動車のピボ(PIVO)というユニークな車を知っていますか?車の概念が変わります。

電気自動車が本格的に普及への助走段階に入った感があるここ最近ですが、電気自動車って単に環境に優しいエコな車というだけではないことをご存知ですか?
車の動力源をモーターとすることで実現不可能だった色々な装置・機構が可能になります。それによって、これまでは映画や漫画の世界でしか登場しなかったユニークな車も近いうちに道路を走ることができるようになるかもしれません。

電気自動車で天下を狙う日産の切り札!?「PIVO」ってこんな車

切り札というには少しばかり可愛すぎてユニークすぎるかもしれませんが、今年に入って失速気味のトヨタに取って代わろうと日産自動車は電気自動車のシェアを一気に食ってしまおうかという意気込みです。
ハイブリッドカーではトヨタにすっかり遅れをとってしまいましたが、これから主流になりそうな電気自動車に日産は社運をかけているようです。
そんな日産自動車がコンセプトカーとして発表していたピボ(PIVO)という車が、これまたユニークな車なんですが、実現に一歩近づいたようです。

NTNは19日、インホイールモータ方式のEV(電気自動車)向けに「インホイール型モータ内蔵アクスルユニット」と「電動ブレーキユニット」、「多軸荷重センサ」を組み合わせた世界最軽量の「インテリジェント・インホイール」を開発したと発表した。
PIVOの実用化は近い? EV向けホイール機構、NTNが開発:レスポンス

それではそのピボ君とやらをお目に掛けましょう。
日産「PIVO」

既に上のほうに小さく画像を貼りましたが、こちらは2007年に発表された2代目のピボです。どこから見てもかたつむりですね。ハイ。フロントウインドウの真ん中あたりにちょこんとたたずんでいるのが、ピボ君でしょうか?
この車の形を見ただけでこれまでにないユニークな車だということが伝わってきますが、この丸っこいボディー形状にはちゃんと意味があるんです。

実はこのピボという車、前も後ろもないんです。どういうことかというと、バックをせずして前にも後ろにも進めるってことです。意味が分かりませんね。
もっと分かりやすく言うと、人間が乗り込むキャビンがそのまま180度回転して今までバックだった向きが、前向きになってしまうんです。つまりこの車にはバックという概念が必要ないってことです。車をバックさせるという機能そのものが付いているかどうかは定かではありませんが、居住空間が回転すればそんなもの要りませんね。

更にこのピボ君の凄いところは縦列駐車も関係なしってところです。キャビンどころか何とタイヤまでもが横を向いて左右にも動いてしまうんです。前も後ろも右も左も関係ない車、それがこのピボ(PIVO)という車なんです。ほとんど漫画ですね。(笑)

インホイールモーターで可能になったユニークな動き

上で書いたように電気自動車では、従来の自動車の構造から大きく飛躍した機構が搭載可能になります。従来の車は【エンジン】⇒【トランスミッション】⇒【ドライブシャフト】⇒【タイヤ】といったように動力源から何らかの方法でタイヤまで回転を伝える必要があったのですが、それがいろいろな意味で車の自由な設計を妨げていました。

インホイールモーターでは文字通り電気モーターをホイール内に配置することにより、エンジンはもちろんトランスミッションもドライブシャフトも必要なくなります。つまり圧倒的に設計の自由度が高まるわけです。
更に今回NTNというメーカーがインホイールモーターに電動ブレーキユニットまで内蔵した軽量な「インテリジェント・インホイール」を開発したことにより、ピボのようなユニークな動きが可能な車の実現化がグッと具体的になってきました。

更に安全性・操作性が高まりそうだ

4輪それぞれにインホイールモーターを採用することにより、これまで以上に車速や路面状況に応じた細かなコントロールが可能となり、より一層安全性や操作性が増すことは間違いありません。
それにしてもこのピボに乗るのはちょっと恥ずかしい気がしますが、これから先は映画のボンドカーのようなもっと飛躍した常識はずれの車が登場してきそうですね。楽しみです。

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