季節は夏真っ盛りというところ。この時期のドライブで心配なのがマイカーのオーバーヒートです。
走行中に突然マイカーのボンネットから白煙が噴出したら怖いし慌てますよね。そんな経験をしたことがなければなおさらです。
そんなトラブルに見舞われないようにエンジンをオーバーヒートさせないための点検法を覚えておきましょう。
ラジエータのリザーバタンクをチェック
エンジンがオーバーヒートする原因のうち最も良くあるパターンなのがラジエータの冷却水(クーラント)不足です。現代の自家用車はほぼ全てが水冷エンジンですから、その冷却水が不足しているとエンジンの温度が上昇するのも当然です。
ラジエータの冷却水の量を点検するにはボンネットを開けエンジンルーム内のリザーバタンクを探します。(画像①)リザーバタンクはいわゆる予備タンクですがラジエータ内の冷却水を適量に保つために非常に重要なものです。
本当はラジエータ本体のキャップを開けて本体内の冷却水量、ラジエータ内の錆発生の有無やラジエータキャップの動作を確認したほうがよいのですが、エンジンが熱いうちは冷却水が噴出してきたりキャップの締め方が不十分になって余計なトラブルの元になる可能性があるので、通常の点検だったらリザーバタンクの確認だけで十分だと思います。
さてお目当てのリザーバタンクが見つかったら冷却水の量を点検しましょう。タンクに必ず上限(FULL)と下限(LOW)のラインが入っていますのでその間に冷却水があれば問題ありません。(画像②)
画像で見るとタンク内にまだ随分余裕がありますが、上限レベル以上に冷却水を補充する必要はありません。ラジエータ本体内の冷却水はラジエータキャップの機構によって自動的に調節されているため、リザーバタンクに冷却水を必要以上に入れてもタンクの外に溢れ出ることになるからです。
冷却水が不足している場合は必ずロングライフクーラント(LLC)を補充します。水道水を補充する人もいますが緊急時以外はオススメできません。水道水でクーラントが薄まることによって冷却効果の低減や錆の発生など後々トラブルに繋がる可能性が高まります。
冷却水の量のほかに色も見ておきましょう。
国産自動車の冷却水の色はほとんどが緑か赤です。色が薄かったり不純物が混ざっていたり錆が発生していないか確認します。特に錆の発生はラジエータ本体を詰まらせたり、樹脂製の部品を損傷させたりしますので冷却水に錆が混ざっている場合は要注意です。
錆が出ているかどうかはリザーバタンクのキャップを開けて、キャップについているホースの先端を見てみると良く分かります。ラジエータ本体内に錆が出ていると、このホースの先端に錆がついて赤く変色してきます。
そのほかにもリザーバタンク内の壁が赤くすすけた様な状態だったら錆の発生を疑っても良いでしょう。更にタンクの底には発生した錆がたまって沈んでいることが多いのでそのあたりも確認したいところです。
問題は極端に冷却水が減っている場合と錆が発生しているとき
冷却水が減っていたら補充すればよいのですが、例えばリザーバタンクが空になっているような状態だと、ラジエータ本体内の冷却水もおそらく減少しているはずです。そんなときはラジエータ本体への冷却水補充はもちろん、どこからか漏れている可能性も十分に考えられるので、本格的に点検する必要があります。
リザーバタンク内の冷却水に明らかに錆が混入している場合は、間違いなくラジエータ本体にも錆が出ているはずです。その場合も専門の業者などにラジエータ本体内及びホース類の洗浄や、点検を依頼したほうが良いでしょう。
エンジンのオーバーヒートを予防するためには以上の簡単な点検を実施するだけでも十分な効果があると思います。
走行中に車がオーバーヒートした場合はエンジンストップによってブレーキが効かなくなったり、エンジン本体やATだったらトランスミッションへのダメージなど、事故の危険性や修理費用が膨れ上がったりと悪いコト尽くめですので、これからの季節は特に事前点検することでオーバーヒートを防止しましょう!
Phot byCarol Browne