日産「Juke」

日産の小型SUV「JUKE(ジューク)」が売れている理由が分かる4つの秘密。

日産の新型車「JUKE」の販売が絶好調だそうです。
つい最近まで特に気にならなかったのですが、発売開始からわずか1ヶ月で1万台オーバーを受注し日産としては過去最速ペースで販売台数を延ばしていると聞いて、どんな車なのか気になってしょうがなくなってきました。
そこで、軽く情報収集してみるとその人気の秘密が少し分かってきました。一言で言うと「楽しいでしょ、これ!」そんな期待の新車、日産・ジュークがなぜ売れるのか?その秘密を徹底的に分析しました。

【コンセプト】目指したのは「コンパクトスポーツカーとSUVの融合」

日産「JUKE」
一目で分かる個性的かつ刺激的なスタイリングからは走る楽しさ、運転する楽しさが伝わってきます。

このクルマは強い個性を放つオリジナリティを追求しました。
コンパクトスポーツカーの俊敏でエキサイティングな要素と、SUVの力強さや安心感、さらには運転のしやすさ、それぞれが持つ魅力やメリットをひとつにして、斬新で独創的なクルマに仕上げました。
ジュークは、今までにない新しいスタイルと、新しい走りをそなえた、全く新しいジャンルのコンパクトスポーツクロスオーバーです。
日産WEBカタログ

コンパクトスポーツクロスオーバーという今までなかったジャンルに挑戦した日産。その成果は発売後1ヶ月たらずで受注1万台という形で見事に現れています。

秘密その1【斬新で独創的なスタイリング】

第一印象としては日本車らしくない日本車という感じ、確かに今までなかったスタイリングです。欧州ルノーと手を組んだ結果、日産が手に入れたものの一つは日本離れしたデザインだと思います。
コンセプトどおり、コンパクトなボディにギュッとSUV、スポーツカー両者のエッセンスを凝縮したかのようなデザインで、ハンドルを握るのが楽しそうです。

フロント~サイド
日産「JUKE」フロント~サイド_sn

フロント周りで目を引くのが大きなフォグランプのような円形のヘッドライトでラリーカーのフォグランプをイメージしているそうです。そして一見ヘッドライトのように見えるボンネット両サイドの細長いレンズがウインカーとポジションランプになっています。
ヘッドライトとウインカーレンズの位置だけを見てもかなり個性的で斬新ですね。

サイド
日産「JUKE」サイド_sn

ボディを側面から見てみると何となく違和感が、リアのドアノブが見当たりません。と思ったらウインドウピラーに紛れ込むようにドアノブが配置されています。このデザインによって一見2ドアクーペのようなスタイルを目指したとの事。
非常に面白いデザインですが、只一つ言わせてもらうとドアノブの位置が高すぎるのでは?子供の手が届く高さとは思えません。

サイド~リヤ
日産「JUKE」サイド~リア_sn

リヤ周りで目を引くのがブーメラン型のコンビネーションランプです。フェアレディZのコンビランプをモデルにしているそうですが、三角形ではなくて敢えてブーメラン型とすることでスタイルにシャープさが増している感じですね。
リヤウインドウは角度を深めにとってグッと引き締まったイメージを作っています。


私的にフロント・サイド・リヤのうちジュークのデザインで最も高得点をあげるとすればリヤ周りです。ブーメラン型のコンビランプと傾斜のきついリヤウインドウで非常に引き締まったスタイルが、100万円台という価格帯からは想像できないほどの高級感を出すことに成功しています。

秘密その2【刺激的なカラーリングとスポーツカーライクな装備が目を引くインテリア】

インテリアbyMJTR (´・ω・)
日産「JUKE」インテリア-2_sn

インテリアは一見、純粋なスポーツカーと勘違いしそうなほどスポーティです。
内装はブラックと鮮やかなレッドの2色構成で引き締まった印象。スピード&タコメーターは完全にスポーツカーのもので、立体的なデザインで斬新です。
シートはこれまたスポーツカーそのもの、ステアリングも3本スポークの本皮巻き(15RXの場合)でスポーティですね。エンジンスターターがプッシュボタン式なのもその気にさせてくれます。
更にインテリジェントコントロールディスプレイでクルマや運転に関する情報が見れたり、走行モードを切り替える機能が付いてたりと至れり尽くせりで逆にやりすぎなんじゃないかと思うほど徹底的に遊び心を刺激してくれます。

秘密その3【軽自動車並みの低価格設定でライバル車がいなくなった】

SUVはどちらかといえば割と価格が高いイメージがありますが、このJUKEは100万円台後半と普通車のSUVとしては最安値の部類に入ると思います。

グレードは現在のところ『15RX 2WD』と『15RS 2WD』の2種類のみですが安いほうの『15RS 2WD』だったら、1,690,500円(消費税込)と同じ日産の軽自動車ルークスのハイウェイスター・ターボ(4WD)の1,714,650円(消費税込)以下と軽自動車とそれほど変わりません。上級グレードの『15RX 2WD』でも1,790,250円(消費税込)とちょっと高めの軽自動車と良い勝負です。

日産はこの価格帯に渾身の力作を投入することで軽自動車ユーザーとの接点を作りながら、他メーカーのSUVが持つシェアを奪う構えなのが見て取れます。

上に書いたようにJUKEの車両価格は軽自動車並みの値段です。その結果、他メーカーSUVの平均価格帯から外れることになり、同じ価格帯にライバルとなるSUVがほとんど見当たりません。

ダイハツ「ビーゴ」

ダイハツ「ビーゴ」

価格的に唯一ライバル車と呼べるのはダイハツのビーゴですが、同じトヨタグループのRAV4の廉価版といった印象で外観もRAV4っぽくインパクトがありません。
価格的には決してJUKEに見劣りするわけではなくかえって安いくらいですが、価格以外にセールスポイントがありません。SUVが欲しいけどRAV4は高いし・・・そんな人が購入しそうですね。

ミツビシ「RVR」

ミツビシ「RVR」

Phot by CEFICEFI

他に敢えてライバルとして挙げるならミツビシ自動車のRVRでしょうか、話題となったカワセミブルーメタリックは確かにインパクトがあるし素敵なカラーだと思います。エクステリアもミツビシお得意のブタ顔(失礼)で迫力があります。
さらに、価格的には最安グレードのEタイプ(2WD)が1,785,000円(税込み)とJUKEに肉薄していますが、残念なことに最安グレードの悲しさか、タイヤホイールがホイールキャップだったり割と目立つ部位でのコストダウンが目に付きます。

参考までに主なSUVの価格帯(全て消費税込み)

日産「JUKE」
日産「JUKE」フロント~サイド_sn
169.0万円~179.0万円
日産「エクストレイル」
日産「エクストレイル」
223.9万円~343.3万円
ホンダ「CR-V」
ホンダ「CR-V」
275.0万円~305.0万円
ミツビシ「RVR」
ミツビシ「RVR」
178.5万円~244.9万円
ダイハツ「ビーゴ」
ダイハツ「ビーゴ」
165.8万円~186.4万円
トヨタ「RUSH」
トヨタ「RUSH」
165.8万円~208.3万円
トヨタ「RAV4」
トヨタ「RAV4」
202.0万円~259.0万円
スバル「フォレスター」
スバル「フォレスター」
199.5万円~290.5万円


秘密その4【エコカー補助金終了間近という好機に合わせた販売タイミング】

JUKEの国内販売が始まったのが今年の6月9日だったわけですが、ちょうど補助金終了前の駆け込み需要の波にうまく乗った結果、発売開始1ヶ月で1万台オーバーの記録達成となりました。

JUKEの購入に伴って発生する補助金や減税の合計額は、最低でも160,900円、13年経過の車から乗り換える場合には310,900円という結構な金額です。発売開始から3ヶ月経たないうちに補助金のほうは終了となりましたが、この強力な各種補助金の援護射撃によってJUKEが販売台数を延ばしたのは間違いないといっていいでしょう。

問題はエコカー補助金の終了する9月末までにどのくらい販売台数を延ばせるか?ですが、逆にエコカー補助金が終了した後がJUKEの真の実力を試される場となりそうです。

日産の執念が伺える1台

ここ数年の日産の新車は正直言ってパッとしませんでした。もっとも世間の新車販売がハイブリッドカーを中心に動いていたわけですから、ハイブリッドカーを持たない日産自動車がエコカーの分野で早くから成功したトヨタやホンダに大きく遅れをとったのも仕方のないことです。

しかし、今年日産自動車は遂に攻めに転じました。JUKEももちろんですが冬に販売予定の電気自動車「リーフ」の予約販売も絶好調、販売開始したばかりの「新型マーチ」の売れ行きも上々とのこと。

トヨタやホンダに奪われたシェアを取り返そうという日産の気迫がJUKEという最近なかった楽しそうな車を生み出したのでしょう。

今秋にはターボ仕様のモデルがラインナップに追加される予定だったりと、今後もしばらくJUKEから目が離せそうにありません。

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