オイル交換

オイル選びの基準は100%化学合成油?鉱物油?あなたはどっち?エンジンオイルの選び方 Part-1

エンジンオイルを交換する際にオイルを選ぶ基準みたいなものがありますか?エンジンオイルは定期的に交換する必要があるいわば消耗品で、マイカーの性能を保つためやエンジンの寿命を延ばすためにとても大切なものです。
エンジンオイルには使用燃料・製法や規格によっていくつかの種類やグレードがあるので、一般的なカーオーナーにはどんなオイルを選べばいいのかなかなか分かりませんよね。
そこでエンジンオイルを選ぶ際に参考になるようにオイル選びのポイントを数回に分けてまとめたいと思います。次回がいつになるかは分かりませんが今回はベースオイルの種類から選び方を考えてみます。

ベースオイルで決まるエンジンオイルの性能

エンジンオイルはその製造工程の差から【鉱物油】・【化学合成油】とそれぞれをブレンドした【部分化学合成油】とに分けられます。
下の図はそれぞれの特徴を簡単に説明したイメージモデルですが、科学的に作り出した化学合成油と自然に存在する鉱物油ではかなり違っています。

化学合成油と鉱物油のイメージモデル

以下で更に詳しくそれぞれの特徴を解説していきます。

鉱物油

原油を蒸留して精製された昔から使われているエンジンオイル。価格が安い反面、耐熱性能に劣り酸化も早く劣化しやすい。
分子構造にばらつきが大きく「エンジン始動性」「静粛性」「燃費」「エンジン性能」の向上、維持などにはあまり貢献してくれない。

100%化学合成油(全化学合成油)

原料は鉱物油と同様だがさらに高度で複雑な過程を経て精製されており、原油から不純物を可能な限り排除し高純度のエンジンオイル。
分子構造を科学的に合成し現在の高度に設計された自動車のエンジンに最適化されている。
鉱物油と比較して次のような特徴を持っています。

  • エンジン内部の保護
  • 寒い季節でもエンジンの始動性が良い
  • 耐熱性が高くオイルの劣化を抑える
  • エンジン内部の清浄効果がある
  • オイル消費量を減らす
  • エンジンの効率アップ=燃費向上

このように100%化学合成油はエンジンに理想的とも言えるオイルですが、その分値段は鉱物油と比べると割高です。

部分化学合成油

鉱物油と100%化学合成油をブレンド(混合)して性能・コストの両面からバランスの取れたオイル。
全化学合成油の性能にどれだけ近づけられているかがポイント。

結局どのオイルを選べばいいのか?

それは、ドライバーであるあなたの車のメンテナンスに対する感覚や求める性能によって変わってくると思います。
メンテナンスにできるだけお金をかけたくなくて、エンジン性能にも多くを求めないという方なら鉱物油、又は部分化学合成油ということになると思います。
個人的には最低でも部分化学合成油を使うことをオススメしておきます。

100%化学合成油にすると体感できるほど違いが出ることも

私はオイル交換時にできるだけ100%化学合成油を使うことにしています。理由は単純で交換後のエンジンの調子が明らかに変わるからです。エンジンの吹けがよくなり高回転までスムーズに回ります。まさに車が軽くなったという感じで燃費も若干向上します。
年式が古くなり走行距離が伸びてきた車ほどその違いは明らかだと思いますが、やはり値段が高いだけのことはあります。部分化学合成油を入れるくらいならもう少し頑張って100%化学合成油を使うと、交換後の満足度が全然違うと思います。
安い鉱物油でも早めの交換サイクルだったら良いんじゃないの?という意見もありますが、燃費の差や後々のエンジントラブルが起こる確立などを考えても、普段から100%化学合成油を使い続けるのが良いと思います。

結論。オイル選びに迷ったら100%化学合成油で決まり

オイル選びの参考になる記事を、と思って書き始めたのが結局化学合成油の宣伝になったようで申しわけありませんが、今までの経験から言って迷ったときは100%化学合成油にしておきましょう!

2010.04.07 追記
蛇足ですが私が普段使用しているエンジンオイルをご紹介します。
カストロールの100%化学合成油
カストロールの100%化学合成油「EDGE 5W-30」です。このオイル、100%化学合成油にもかかわらず実売価格3000~4000円ほど(3L缶の場合)の安い部類のオイルです。ほんの少し安い価格帯に同メーカーの部分合成油のラインナップもありますが、500円ほどの価格差なら迷わずに100%合成油の購入をお奨めします。
安いながらも100%合成油なので他メーカーで同じ価格帯の部分合成油と比べるとオイル交換後のエンジンフィーリングは格段に向上します。
私の場合マイカーがターボ車なので粘度が5W-30のものを使っていますが、ノンターボ車の場合は5W-20を使用すれば吹け上がりも軽くなり燃費も向上するかと思われます。
お近くのホームセンターなどでオイルを購入する際は是非選択肢の一つに加えてくださいね。

画像Dvortygirl

「オイル選びの基準は100%化学合成油?鉱物油?あなたはどっち?エンジンオイルの選び方 Part-1」への11件のフィードバック

  1. こんばんは カストールエッジはチタン配合になって良いオイルに違いはないでしょうが、VHVI(グループ3)との混合で純粋な100%化学合成油ではないと思います。
    しかし、実売価格が安いので僕も一度試してみようと思います。

  2. バイク乗りですが、年式の古いハーレー等は鉱物油を使用しないとオイル漏れをおこすようです。使用している紙製ガスケットの関係かと思われます。

  3. 我が愛機である1300ccのコンパクトカーに今まで鉱物油から2Lで7000円のM社の化学合成オイルまで色々と入れてきましたが
    私の経験則的にはチビエンジンには化学合成のちょっといいオイルが一番しっくりきました

    しかし世の中にはロータリーエンジンなどの化学合成油をあまり好まないエンジンなどもあるらしく
    一概に化学合成油がいいという訳でもなさそうですね

  4. 初めまして。
    現在(ここ10年ほど)販売されているカストロールの製品のなかには、100%化学合成のオイルは存在しませんよ。

    ベースオイルが昔のカストロール時代(イギリスやドイツで製造されていた頃もの)よりもコストダウンのため2ランク下げられてます。

    現在、ホームセンターやカー用品店などで売られている安く売られているカストロール製品は皆そうです。
    本当の意味で100%化学合成油は、ポリアルファオレフィン系 グループ4ベースオイルのものか、ポリオールエステル、ジエステルなど グループ5ベースオイルの製品です。

    現在のカストロール製品は、全合成油と記載があってもベースオイルは鉱物油と同じグループ3の低ランクの物が使われています。

  5. (管理人にてリンク削除 2015/6/30)
    このような記事もありますがいかがでしょうか。

    1. アクセス数上げたいからってオイルに関係ないリンクを貼るのは反則だろ。

      1. 桃太郎さんコメントありがとうございます。
        上記コメントのリンク先は当時オイルについての記事だったと記憶していますが、現時点では確かに関係ないリンクになってしまっているので管理人判断でリンクを削除させてもらいました。

  6. いつも楽しく拝見させて頂いています。先日、某社の鉱物油に交換しましたが、サーキットでハードな走行を繰り返しても油温、油圧ともに安定しておりフィーリングも抜群でした。合成油はさらにその上をいくのでしょうか?

    1. 私の少ない経験から言わせてもらえば、同価格帯の鉱物油と化学合成油だったら、化学合成油の方が上なんじゃないかという気がします。
      もっともそれほど高級な鉱物油も合成油も使ったことがないので低価格なオイルだったら、という話ですけどね。(笑)
      逆にMAD DOGさんがサーキットで好感触だった某社の鉱物油というのが気になります。

    1. MOTY’Sというオイルメーカーについては良く知りませんが、他の多くのメーカーが鉱物油をラインナップに加えているのと同様にまだ鉱物油の需要があることに気付いているのではないでしょうか?
      化学合成油は今のところ鉱物油より割高ですし、少し古めの車に化学合成油を使うとオイルシールなど膨張・収縮させてオイル漏れの原因になるとも言いますし。
      鉱物油がいらなくなるのはもう少し先の話かもしれませんね。
      ご参考 エンジンオイルについて:JOMO Q&A

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です