自動車の税金に感じる負担度

自動車の税金を負担に感じるユーザーが98%。負担が厳しい・課税根拠がないと当然の声

このほどJAFが公表した『自動車税制に関するアンケート調査』結果によると、自動車に関する税金について、9割を超えるカーオーナーが負担が厳しいと感じていることがわかりました。

アンケート結果では、自動車の税金を少なからず負担と感じている人の割合が98%にのぼります。非常に多くの人が不満を感じていると言っていいと思います。
自動車の税金に感じるユーザーの負担感

課税根拠のない自動車の税金

そもそも自動車の購入から保有・維持にかかる税金は、道路を利用する人たちが道路の補修や整備費用を負担すべきとの視点から創設された目的税(道路特定財源)でした。この仕組みは非常に理にかなっており納得がいくものだと思います。

ところが、2009年度「改正道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」の成立により、道路特定財源から一般財源へとなりました。一般財源化されると、道路の整備費用以外にも利用が可能になり、税金創設時の趣旨から外れてしまうこととなり、そこが課税根拠がないとされる理由です。

現在、一般財源として扱われている自動車関連の税金は自動車重量税・ガソリン税・軽油引取税・自動車取得税があります。

延長を繰り返す暫定税率に感じる負担感

日本の税制って暫定税率という不思議な制度を適用するケースが多いような気がしますが、自動車にかかる税金のほとんどは暫定税率です。自動車ユーザーは本来の税率の約2倍を負担していることになりますが、所得の低い人ほど負担が重くなってしまいます。

種類 本来の税率 暫定税率
ガソリン税 揮発油税 24.3円/リットル 48.6円/リットル
地方道路税 4.4円/リットル 5.2円/リットル
自動車重量税(自家用車、車齢13年まで) 年間2500円/0.5t 年間4100円/0.5t
軽油引取税 15.0円/リットル 32.1円/リットル
自動車取得税(自家用車) 取得価格の3% 取得価格の5%

これらの税金は本来の税率より高い税率が適用されますが、前述したように課税の根拠を失っているとの見方もあり、これに対してJAFのアンケートでは、廃止すべきと回答した人が95%にのぼりました。

自動車の税金は見直すべきとの声が多数

アンケートに寄せられた自動車の税金についての意見では、

  • 一般財源化した課税根拠がない税金をなぜ自動車所有者だけ取られるのかがわかりません。
  • 自動車を所有することによって払う税金が、道路整備や環境問題に使われるなら納得するが、課税根拠が無いままに課税されることに反対。
  • 車はもはや所有者のみが受益者ではない。税制の不公平を見逃してはならない。

など、非常に厳しい意見が多数寄せられています。「車はもはや所有者のみが受益者ではない。」という意見には思わずうなずいてしまいました。

いずれの意見でも税金の見直しは必要という声が多数を占めていますが、国民の足として生活必需品となった自動車を人質にとり高額の税負担を強いる現行の税制は見直すべきだと私も思います。

1949年の揮発油税創設から始まった自動車関連税制ですが、創設当初とは自動車を取り巻く環境があまりにも変化しすぎて、時代にそぐわなくなっているのは当然です。

抜本的見直しはもはや必須と思いますが、こうした国民の声が政治に届く気がしないのが残念です。

関連リンク
自動車ユーザーの98%が自動車にかかる税金に負担を感じています。『JAFニュース』
道路特定財源制度(Wikipedia)

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