ガソリンスタンド

全国のガソリンスタンド数が減少し続けている。一方、自動車保有台数はそれほど変わってない。

帝国データバンクが調査したガソリンスタンドの倒産や休廃業の動向によると、過去5年間に1228社が休業あるいは廃業したそうです。
このブログではガソリンスタンドのネガティブな情報も多くお伝えしていますが、石油業界を取り巻く環境は厳しくなる一方のようです。

ガソリンスタンドは16年連続で減少。一方自動車は最近まで増え続けていた。

全国のサービスステーション(SS)の数は平成6年の6万件が最大で、それから平成22年までなんと16年連続で一直線に減少し続けています。
全国のガソリンスタンド数と自動車保有台数の推移比較
一方で自動車の保有台数は、ガソリンスタンドの減少傾向を尻目に平成19年まで右肩上がりです。

ガソリンスタンドの減少に伴い、運営会社の倒産や休業も増加しているのですが、帝国データバンクの分析では、その理由として以下の二つをあげています。

  1. 自動車保有台数減少に伴い利用者数が減少するなか仕入れ価格上昇分を価格転嫁できず収益性が悪化する業者が増えたため
  2. 規則改正に伴う設備投資が今後必要になるが資金捻出に難航している業者が存在するため

理由1について、自動車保有台数が減少に転じたのは平成20年からであり、少々当てはまらない気がしますが、帝国データバンクの分析は、あくまでガソリンスタンド運営会社の倒産・休業が増加した理由についての説明です。

今後、深刻な状況に陥ると思われるのが小規模経営のガソリンスタンドです。
規則の改正により2013年までに、設置されてから40年以上経つ、古い地下タンクの改修が義務付けられました。
店舗を一つしかもたない販売会社では改修期間に事実上営業停止となることや、改修費用の捻出が厳しいことから、2013年までに自主的に廃業・休業を決める業者が出てくることが予想されるとしています。

更に、ここ数年で急速に普及したハイブリッド車や、電気自動車などのエコカーの存在が、ガソリンスタンドにとって脅威となっているようです。

ガソリンスタンドの減少に歯止めをかけるには?

少なくともガソリンスタンドが増えそうな要素が思いつかないので、今後一定の水準まで減少傾向が続くことは間違いないと思われます。

そんな厳しい状況の中、各運営会社は利益の確保に必死だと思いますが、最近ガソリンスタンド(特にある系列の)の販売方法に疑問の声が多数上がっています。

こんな時代だからこそ、顧客目線のサービスが必要不可欠のはずですが、利益確保が最優先されているのが現状だと思います。。いずれ化石燃料で走る自動車が地上から姿を消す可能性もありますが、今のガソリンスタンドはサービスステーションの意味を忘れて、破滅への階段を駆け上っているような気がします。

最後にもう一つ興味深いデータを。
ガソリンスタンド1件当りの自動車台数
ガソリンスタンドは減り続けていますが、そのおかげ?か1店舗に対する自動車数(潜在的な顧客数)は増え続けているんです。平成元年と平成22年を比較するとその差は2倍以上!

お客さんは増えているはずなのに、儲からない。いくらハイブリッド車が増えたからといっても、自動車保有台数に閉めるハイブリッド車の割合は、わずか1.8%にすぎません(平成22年度末)

今後、生き残っていくスタンドはどんなサービスを提供してくれるのでしょうか?それが、タイヤやオイル、洗車などの販売だけじゃないことを祈ります。

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