交通事故

【最新版】平成22年自動車死亡事故の発生状況と傾向

警察庁より平成22年の死亡者を伴う交通事故のデータが発表されてます。道路交通を取り巻く現状を知ってより安全に楽しく車を運転できるようにしたいですね。
公表された資料では非常に多くのデータが掲載されていますが、その中から気になるものをピックアップして、過去のデータを含めた統計表を作成しました。

月別死者数の推移

交通事故での死亡者数は平成13年から10年連続で年々減少しています。

1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年間
合計
昭和27年3023003714033963733474343964904304544,696
昭和45年1,2371,1401,3791,2711,4191,2891,4801,5451,4671,4761,5151,54716,765
平成7年7507668428748698198529129171,0001,0041,07410,679
平成8年7926887857877877608298598149429009999,942
平成9年8137228017407967437868047608458519799,640
平成10年7046217836797646767347727498389319609,211
平成11年7156396996797427177587706958058539349,006
平成12年7286667806946956977478066858358668679,066
平成13年6196377636656626597437457268238338728,747
平成14年6436267296846386176506926677597938288,326
平成15年5915536155716035655797076437337437997,702
平成16年5565096176045825596316225806456897647,358
平成17年5584695725244955065816106296056516716,871
平成18年5294245484844714665245635045476446486,352
平成19年4914484494204264204705234735475075705,744
平成20年4003593844003833694444713974984855655,155
平成21年3813583833563953473784313994634875364,914
平成22年3843483633503753514014274064644195754,863
※昭和27年は死者数が4千人台になった最後の年、昭和45年は死者数が最も多い年です。

シートベルトの着用・非着用別の自動車事故死者数

シートベルト着用有無別の死者数の推移

12年13年14年15年16年17年18年19年20年21年22年
シートベルト着用1,4701,3771,3371,2241,1741,1781,035938819825815
シートベルト非着用2,3112,1671,9731,6751,5921,4101,2101,001816716741
不明17216712812915213411474755946
合計3,9533,7113,4383,0282,9182,7222,3592,0131,7101,6001,602
非着用時の
死者構成率
58.558.457.455.354.651.851.349.747.744.846.3
※シートベルト着用者率=シートベルト着用死傷者数(自動車乗車中)÷死傷者数(自動車乗車中)×100

事故時にシートベルトの着用の有無が生死を分けるのは当然で、死者数の数字を見てみると平成19年まではシートベルト非着用者の死亡者数が着用者の死者数を上回っています。
ところが平成20年でその数字が逆転し、シートベルトを装着していたのにも関わらず非装着の死者数を上回っているという不可解な現象が起こっていますが、その理由については下の表を見ると分かります。

交通事故発生時のシートベルト着用率

12年13年14年15年16年17年18年19年20年21年22年
シートベルト着用率84.186.487.287.588.388.889.189.191.393.393.4
運転席着用率92.394.094.795.496.196.697.097.397.697.998.0
助手席着用率85.288.389.490.191.292.392.993.594.895.896.1
後部座席着用率27.033.334.231.530.630.530.630.046.259.759.6

平成20年6月1日より全座席のシートベルト着用が義務付けられ、それまで30%程度だった後部座席のシートベルト着用率が1.5倍に伸びています。平成21年・23年ではおよそ60%にまで上昇しています。
また、助手席のシートベルト着用率についても伸び続け運転席とほぼ同等の水準まで着用率が向上していることが分かります。つまりシートベルト非着用の死者数が減少したのは非着用者の数自体が減少しているからだといえると思います。

死亡交通事故発生時の法令違反件数

12年13年14年15年16年17年18年19年20年21年22年
信号無視329366303315287243209198189151152
通行区分378391338342334344266274231196191
最高速度1,4171,1671,082883711658520449356328292
優先通行妨害252241265211219200172166157122136
歩行者妨害等373411391403383345361306296288274
一時不停止339356317284264250233217194156152
酒酔い運転34027921516514413511582545735
過労運転8168996959433829211218
運転操作不適676659679600568583591513491456473
漫然運転956955980910930920835807727728787
脇見運転1,004978876915845805835736680656631
動静不注視223222187207209183193167147136112
安全不確認563553591597606561569544463483464
安全速度276298271267281238
217
147
150
151
146
その他5268446674473743273742
その他の違反733661629545547520455478440395445
違反不明3241576042352233314328
合計8,0247,7147,3246,8396,5036,1105,6685,1894,6544,3954,378
※付きの項目は安全運転義務違反の内訳です。

法令違反があった交通死亡事故の違反別内訳をあらわした表ですが、漫然運転やわき見運転などの安全運転義務違反が占める割合が高いことが分かります。
また平成12年では法令違反を伴う死亡事故で1,417件でトップだった最高速度違反が、昨年は292件とほぼ5分の1まで減少しています。

飲酒運転が絡む死亡事故発生件数の推移
12年13年14年15年16年17年18年19年20年21年22年
酒酔い35929823817315514612982545735
酒気帯び(0.25以上)513445383310308301275229167171168
酒気帯び(0.25未満)506856775440301922
基準以下2382491618582768238232331
検知不能1661991651441091077141312231
合計1,2761,191997780710707611430305292287

飲酒運転の厳罰化の影響と思われますが飲酒運転での死亡事故発生件数も減少の一途です。これは非常に好ましい結果だといえますね。個人的には飲酒運転の罰則はもっともっと厳しくても良いと思いますが、いかがでしょうか?酒を飲んでまともに運転できるわけがないですからね。

交通死亡事故は減少傾向が続き、法令違反を伴う死亡事故も減少

シートベルトの着用率向上及び法令違反・飲酒運転の減少に伴い、死亡事故の発生件数減少という理想的といえそうなデータですね。

死亡交通事故の減少には、もちろん自動車メーカーの努力によるエアバッグの普及率向上や、各種安全装置・ボディの改良なども大きく影響していると思います。

今後、ぶつかりそうになると自動的に減速したり、前方の道路状況に応じて警告を発したりと更に安全な自動車が続々登場してくると思いますが、交通事故の予防で一番大事なのは運転手や同乗者の安全運転に対する意識だと思います。今年はもっと交通事故件数及び死者数が減少することを期待します。

参考資料 : 平成22年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について | 警察庁

【お知らせ】交通事故の統計データをまとめたサイトを作りました。地図・グラフ・表を用いて全国の交通事情が分かりやすくなっています。
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