カーディーラー

車を購入するためにローンを組んだのに現車を引き渡してくれない、そんなトラブルの実体験をもとにした対処法

数年前の話ですが、知り合いからこんな相談を受けたときの話です。
「ローンを組んで車を買ったんだけどなかなか引き渡してくれないんだ。もうすぐローンの引き落としが始まるんだけどどうしよう?」

まともな車屋さんやディーラーで車を買えばまずこんなことはないでしょうが、車を買ったのに引き渡してもらえない、おまけにローンは既に組んだ後、引き落としももうすぐ始まる、そんなマイカーの購入という1大イベントに起こるかも知れないトラブルに陥った場合にどう対処すべきか?についての実体験をもとにした記事です。

コトのいきさつ

詳しく聞いてみるとその知人は、ある車屋さんの店長から車を安く売るからと言われて、その人(店長)から個人的に車を買わないか?と持ちかけられたそうです。

要は店長がお店の車を転売して小遣い稼ぎをしていたみたいなんですが、(お店で仕入れた車を店長本人が仕入れ同然の値段で購入し、それを転売して稼いでいた)知人は安く買えるならとその誘いに乗ったわけです。

知人はその店長に勧められた車、トヨタ・セルシオが気に入り購入を決心。現金がなかった知人は店長に言われるままに、店長の勤め先である車屋が提携している信販会社のマイカーローンを組むことに。

本来なら店長個人から車を買うのに車屋のローンを使うのはおかしな話だと思いますが、その店長はローンを組む際に信販会社に対しては車屋の商品として売ることにして、ローンを通していたのでしょう。

知人は特に不信感を持つわけでもなく、ローンも普通に通ったということで安心してあとは納車を待つばかりとなったわけです。

なかなか現車を引き渡してくれない店長

契約が終わり2週間ほどしても、納車の連絡が来なかった知人は少々心配になり店長に連絡してみると、納車に向けて整備中ということだったのでもう少し待つことに。

それから更に1週間ほど経過するが、店長から連絡は来ず益々不安になった知人は店長に「車を確認させてくれ」と言うと、「車はココ(車屋)にはなく、自分の借りている土地に置いてある」知人は更にしつこく車の置き場所を聞き出し、見に行ってみることに。

店長から聞いた車の置き場所に確かに車はあったものの、少々様子がおかしいことに。もともとバンパーなどの外装パーツが社外品に交換されてあり、知人はその辺が気に入って購入に踏み切ったそうなんですが、保管場所に置かれていた車は外装パーツが外されどう考えてもすぐに走れるような状態ではなかったようです。

この時点で知人は本当に車を引き渡してくれるんだろうか?と思い始め、どうしようかと悩んでいるうちに契約から1ヶ月がすぎ、いよいよ1回目のローンの引き落とし日が近づいてきて不安の局地に至った末に、冒頭の私への相談へと至ったわけです。

私が間に立って店長と話をすることに

相談されたものの、そんなトラブルは私にもはじめての経験だったので、とりあえず店長本人と話をしてみることにしました。

店長に納車が遅れている理由と、いつ引き渡してくれるのかを聞いてみると、「車は整備中で納車はもう少し待ってくれ、いつ引き渡せるかは正確にはわからない」という返事。

中古車の購入から1ヶ月以上も待たされるなんて人気車種の新車でもないのに考えられませんし、相手からなかなか連絡ももらえず誠意も感じられなかったので、知人に契約を解除するよう勧めました。

知人も私の意見に賛成し車の購入を見合わせることにしたのですが、問題は引き落とし日が近づいてきているローンです。ご存知のようにローンの契約は知人とローン会社で結んだものです。

とにかくローンの引き落としをストップすること

商品が引き渡されていようといまいと、ローン会社はお構い無しに引き落としの日には容赦なく引き落とされます。それがローンというものです。

知人に銀行口座を空にしておくように助言しましたが、そのままでは知人がローンを組んだくせに支払いをしないということでローン会社に訴えられかねません。しかも1回目の引き落とし日まであと数日まで迫っていたため、私は知人に更に手を打つようにいいました。

債務不履行を理由に抗弁権を主張しローン会社に内容証明を速達

法律の専門家でもなんでもない私でしたが、知人が困っているのを見捨ててはおけず必死で法律知識を詰め込み、ローン会社に対して引き落としをストップさせようと内容証明を速達で送りました。

ここでは内容証明や支払いをストップするための根拠についての詳しい説明は避けます(法律知識についてはこちらのサイトが詳しく解説)が、ローンは組んだけど車が引き渡されないからお金を支払えないという内容です。

相手は大手の信販会社でしたが、どの部署に送ればいいかわからなかった私は、宛名を社長個人にして知人に下書きをしてやりそれを内容証明で郵送させました。

結末

知人の銀行口座は引き落とされないように空でしたが、信販会社の反応がどんなものか心配でした。
速達で送った内容証明が届いた次の日当たりに信販会社から知人に対して連絡があり、ことの詳細についての説明を求められたそうで知人はいきさつを事細かに説明したところ、信販会社からもローン契約解除の同意を得られ、乗ってもいない車の購入代金を支払わずに済むことになりました。

知人から連絡を受けた私もホッと胸をなでおろし、あとは店長への対応をどうしようかと考えていると再び知人から連絡があり、例の店長からこの一件に対する謝罪と契約解除に応じるとのことでした。

この(あえてそう言わせてもらいます)事件では、店長が小遣いほしさに自分の勤める店の車の横流しに始まり、それを知人が車を安く購入できるからと甘い考えで話に乗ってしまったために起こりました。
信販会社とも揉めることなくローンの支払いもストップできたのはとても幸いでしたし、私にとっても大変勉強になった貴重な体験となりました。

皆さんも、甘い話にはリスクが付き物ということを忘れないでください。更に、ローンを組んでいる場合は迅速にローン会社に対しても手を打つ必要があることも覚えておいてください。

その後

その後、この店長と連絡を取ることがなかったので店長がお店や信販会社とどうなったのかは不明ですが、少なくとも勤務先の車屋さんからはいなくなっていたようです。

結局この店長が本当に車を引き渡す気があったのかどうかは分からなかったのですが、知人は1ヶ月あまり頭を悩ませ不安を感じていたことは事実です。
店長に対しては少々気の毒な気もしましたが、私は無い知恵を振り絞り知人をトラブルから開放する手助けができたと信じたいと思います。

「車を購入するためにローンを組んだのに現車を引き渡してくれない、そんなトラブルの実体験をもとにした対処法」への6件のフィードバック

  1. こんにちは、

    あれから抗弁権の書類の送る前に電話で問い合わせたところ、
    割賦販売法というのに該当しない(銀行と車屋が契約していない)ため
    今回の件は抗弁権には該当されないので無理ですと言われてしまいました。
    せっかく教えていただいたのに残念です。

    悪いご報告ではありますが、この度はありがとうございました。

    1. そうですか、お役に立てずに大変残念です。そうなると後は車を売ろうとした本人を攻めて払わせるしかなさそうですね。お金を持たない相手みたいなので非常に難しそうですが、仕事をしているのであれば給料の差し押さえとかできればいいですが。

      今後どうされるかわかりませんがお気の毒でなりません。

  2. 丁寧な返信ありがとうございました。
    嫌々お金を支払う日々だったので気持ちが軽くなりました。

    私の場合は、姉の知り合いにこんな車を用意したと書類を見せられ
    マイカーローンが安いから登録してきてくれと
    軽い気持ちで登録したら、支払い後購入予定だったものが
    支払いが間に合わなくて流れてしまった等誤魔化されてしまい
    そのまま連絡は取れるものの逃げられたという情けない事情です。
    姉は詐欺師だと知らなかったようで
    弁護士や警察、相手の両親などにも手を尽くしてはくれましたが
    元から財産等のお金がない相手だったので為す術なく
    泣き寝入りも悔しく警察に相談し、お金は払っている状況です。

    今回の件、まずは銀行に書類を送りたい旨をお伝えし
    見よう見まねで頑張ってみようと思います。
    本当に助かりました。
    今後お知らせできることがあれば書き込ませていただきたいと思います。

  3. はじめまして、過去の記事にコメント失礼致します。
    現在私はこちらの記事と同様、マイカーローン詐欺にあり困っている物です。
    現在はもう為す術なくローンを払い始めている状況なのですが、
    最近停止できるかもという噂をききこちらにたどり着きました。

    銀行には迷惑をかけますが、使ってもいないお金を払い続けるのをやめられるのならそうしたいです。
    書類など詳しい話をお聞きしたいのですが、お気づきになればご返答頂ければ幸いです。

    1. はじめまして、マイカーローンのトラブルでお困りのようですね。『ローンを組んで車を購入したのに肝心の車を引き渡してくれない』ということでいいのでしょうか?

      大前提として私は法律の専門家でもなんでもないことを前置きした上で経験者としてアドバイスするなら、

      クレジット会社(この場合は銀行でしょうか)に対して(販売業者の)債務不履行による支払い停止の抗弁権を主張できそうです。

      支払い停止の抗弁権とは一定条件を満たすローン契約について対抗事由の該当によりローンの支払いを拒否できる権利のことを言います。

      支払停止の抗弁権について詳しくは下記リンクでどうぞ。
      支払停止の抗弁権 – Wikipedia

      クレジット会社へのローン支払い停止の申し出は書面で行うのが良いでしょう。その前段階で、simaさんが販売業者(車屋)に対して車を引き渡すよう必要な交渉をおこなう努力をすることとなっています。売買契約の当事者同士でまずは問題解決をということですね。

      引き渡しを要求しても誠意ある対応がない場合に、クレジット会社へ書面による「支払停止の申し出」を行います。

      日本クレジット協会というところのHPに「支払停止の抗弁書面について」という資料(pdf)があります。資料には書面のサンプルや記入例等、詳しく書いてありますので是非確認してみてください。

      クレジット会社へのローン支払い停止を申し出る場合は、書面の郵送前にクレジット会社へ電話などしておくと良いようです。

      クレジット会社への連絡により意外と問題が解決することもあるのかもしれません。(クレジット会社から販売業者への確認・圧力などで)
      とは言っても車の売買契約とクレジット契約は当事者が違うので、どういった対応になるかは不明です。

      いずれにしても最終的に債務が履行されなければ、クレジット会社には抗弁権を主張してローンの支払いを止める必要がありますので書面による申し出が必要となるでしょう。

      以上が私がアドバイスできる内容ですが、実際にこの通りに行くかどうかはわかりません。

      しかし、世の中にはやっぱりこうしたトラブルってあるんですね。販売業者にもなにかしらの事情があるのかもしれませんが、車が手元にないのにお金だけ払うというのはどう考えても理不尽です。スムーズに問題が解決するといいですね。

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