名古屋の名物市長、河村市長が選挙中から公約として掲げていた公用車を軽自動車にするという約束を果たした。
それにしても、センチュリーから軽自動車とは落差が凄すぎますが、1台1000万円以上する公用車なんてこのご時勢に許されるわけがありません。
市長という市政のトップが軽自動車に乗るのは賛否いろいろありそうですが、対立がちの市議会の議長さんがいまだセンチュリーに乗っていることを考えると、その決断には素直に拍手を送りたいところです。
タントエグゼ 対 センチュリー
今回河村市長の公用車となったのはダイハツの人気車タントエグゼのカスタムシリーズのようです。対する市議会議長はセンチュリーを公用車にしているそうなので、この2台がいかに違う車なのかを軽く検証してみたいと思います。
まずは外観から
左がダイハツのタントエグゼ、右がトヨタのセンチュリーですが一見して分かるとおり全くコンセプトの異なる車だということが分かりますね。
タントエグゼは軽自動車とはいえ安っぽい部類の車ではないので十分格好良いですが、センチュリーはまさに高級車の風格たっぷりで運転手付、エグゼクティブな方の為の車といった感じです。
河村市長が公用車に数ある軽自動車の中からタントエグゼを選んだのはエグゼクティブな車に乗っている市議会議長への皮肉だったら面白いのですが、その辺のところはどうなんでしょうね?
2台のスペックを比較
両者のスペックをメーカーHPのカタログから抜粋しました。
車名 | ダイハツ タント エグゼカスタム | トヨタ センチュリー |
---|---|---|
価格帯 | 135万円~169.1万円 | 1144.5万円 |
燃費10-10.5モード | 21.5Km(ノンターボCVT車) | 7.8Km |
排気量 | 658 | 4,996 |
ボディサイズ(全長×全幅) | 3,395mm × 1,475mm | 5,270mm × 1,890mm |
使用燃料 | 無鉛レギュラー | 無鉛プレミアムガソリン |
車両重量 | 920Kg(2WDグレードRS) | 2,050Kg |
こうして比べてみるとセンチュリーという車はタントエグゼに比べて価格はおよそ7倍、燃費は約3分の一、燃料はハイオクという、とてもお金のかかる車であることが分かります。
そもそも全く性格の異なる2台を比較したところで何の意味もないわけですが、トヨタのセンチュリーという車がいかに豪華な車なのかお分かりいただけたでしょうか。トヨタのセンチュリーといえば総理大臣の公用車だったり、皇族の方々が乗られたりするほどの高級車ですが、一地方自治体の公用車にするには贅沢すぎる気がします。
河村市長のように何も軽自動車にしなくても、最近だったらプリウスだとかエコカーだけど高級感もそこそこある車に乗れば市民の批判もあまり受けないとは思いますが、市議会の議長がセンチュリーなんて実際必要あるとは思えません。
宮崎の東国原知事の公用車はクラウン・ハイブリッド
河村市長同様、著名な宮崎県の東国原知事も既に3年前から公用車をセンチュリーからトヨタのクラウン(ハイブリッド)へと変更しています。この車種の切り替えで年間約60万円の経費削減につながるというので、センチュリーが単に車両価格だけでなくいかにランニングコストの掛かる車なのか分かりますね。
なんだかセンチュリーを批判している感じになっていますが、別にセンチュリーという車が悪いわけではなく「そんな高級車に税金を使ってまで乗る必要があるのか?」を訴えているだけですのでご理解を。
大阪の橋本知事の公用車はバイオ燃料で走るトヨタのアルファード
こちらもおなじみの有名な橋本徹知事ですが、その公用車はE10というバイオ燃料で走行できるアルファードに去年乗り換えています。
バイオエタノールは稲わらなどから作られる環境に優しい燃料で二酸化炭素の排出を低減できるそうです。こうしてみるとこの3人の知事・市長さんは自治体の経費削減・環境保護に対する姿勢を強くアピールしていることが分かります。
全国の地方自治体の公用車は最低でもハイブリッド車に変更すべき
河村名古屋市長が去年購入費を予算に計上した際に「単なるアピール」という理由から議会で否決されていたそうですが、それがパフォーマンスだろうとなんだろうと現に購入費・維持費・世論すべてにおいて負けている市議会議長側の負け惜しみにしか聞こえません(アピール云々が議長自らの発言かは知りませんが)。今回晴れて公用車を変更することができた河村市長は選挙公約も果たせて良い気分でしょうね。
続々と全国の自治体から黒塗りの高級車が消えようとしていますが、歓迎すべきことです。今後、その流れは更に加速するものと思いますが、公用車はハイブリッドカーか軽自動車の財政・地球環境共に優しい車に変更して欲しいものですね。