あなたは運転中にブレーキの踏み方を意識したことがありますか?そしてブレーキの踏み方で燃費が変わることをご存知ですか?
車を停止させるためには必要不可欠なブレーキ、実はとても単純な理屈で車を止めています。ブレーキの物理的な原理を知ることであなたのブレーキの踏み方は変わるかもしれません。
運動エネルギーを熱エネルギーに変換するのがブレーキ
これがブレーキが車を止める理屈の全てです。ここでの運動エネルギーというのはエンジン⇒ミッション⇒ドライブシャフト⇒タイヤという順番で伝わった回転力のことです。
この運動エネルギーが自動車を前進させたりバックさせたりしているわけですね。
車が前後に動くのは運動エネルギーによるものなのですが、動きっぱなしというわけにはいきません。やっぱり止まりたいときもありますよね。信号待ちとか危険を察知したときとか駐車するときとかいくら車が動くからといって止まれなければ話になりません。
そこでブレーキの登場です。ブレーキを踏めば車は減速していずれ止まってくれます。これは当たり前のことですが、このとき車を動かしていた運動エネルギー(回転力)は何処に行くのでしょうか?
ブレーキを踏むことで運動エネルギーは摩擦熱として大気中に放出される
ブレーキの仕組みも単純で一般的なディスクブレーキの場合、ブレーキペダルを踏むと車軸に組み込まれた円盤状のブレーキローターをブレーキパッドが挟み摩擦によって回転力を落としていきます。
ご存知のように物体と物体の間に摩擦が生じると熱が発生します。いわゆる摩擦熱ですが、ブレーキを踏むことでディスクとパッドの間に摩擦熱が生じ、熱伝導率の差によってブレーキローターの温度が急激に上昇します。更にローターに蓄積された熱はディスクの放熱作用によって大気中に放出されます。
要するにブレーキを踏むということは、車の持つ運動エネルギーを熱エネルギーとして捨てているということ
本来なら車を動かすはずだった運動エネルギーを熱エネルギーに変換して大気中に捨てている。それが車のブレーキというものです。
じゃあブレーキを踏むなって事?
ではありません。ブレーキの踏み方で燃費が変わるというのは例えば
- 急ブレーキを踏まない(ブレーキは優しく踏む)
- エンジンブレーキを使う
- 車間距離を開けておく
つまりなるべくブレーキを踏まずに済むような運転をすることで燃費は改善しますよ。ということです。車間距離を開けて道路の流れを読みながら運転することでブレーキを踏む回数や踏み込み方はずいぶん変わってきます。
ここまで書けば「ブレーキの踏み方で燃費が変わる」という意味が分かっていただけたと思います。
ちなみにブレーキの踏み方で消耗品の交換頻度も変わります
ブレーキ周りの消耗品というと主なものは
- ブレーキパッド(ブレーキシュー)
- ブレーキディスク(ブレーキドラム)
- ブレーキオイル
ですが、特にブレーキパッドはブレーキの踏み方によって大きく寿命が変わる部品の一つです。
ブレーキオイルは熱に弱く劣化が進むとブレーキの効きが悪くなってきます。最悪の場合はブレーキが効かなくなることもありますのでやはり消耗品といえます。ブレーキ時の熱がオイルに伝わることによって劣化が早まります。
ブレーキの踏み方で燃費は変わる!
これによって劇的に燃費が向上すると言うものではありませんが、少なくとも急ブレーキを良く踏んでしまうという方は効果が分かると思います。
ブレーキを優しく踏むことで自分にも周りにも車にも優しいエコドライブを心がけましょう!
それではまた!