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従来のガソリンエンジンを遥かに凌ぐ「究極の低燃費・高熱効率の小型エンジン」を早稲田大学の内藤教授が開発。

日本で発明された新しいガソリンエンジンによって世界の自動車産業に革命が起こるかもしれません。

早稲田大学の理工学部で機械科学・航空学を研究する内藤健教授のグループが、既存のガソリンエンジンより遥かに効率のよい燃焼システムを開発したそうです。

現在のガソリンエンジンはエネルギーの大半を捨てている

ご存知のように現在のガソリンエンジンは決して効率の良いものではありません。
ガソリンエンジンでガソリンを燃やした際に発生する”熱”が、どの程度有効利用されているかを示す指標に熱勘定というものがあります。

4サイクルエンジン(レシプロエンジン)
画像:UtzOnBike
左が代表的なガソリンエンジンのモデルで、特にこのタイプを4ストロークエンジンと呼びます。

モデルでは3番目の『燃焼・膨張』工程でガソリンの燃焼エネルギーを、ピストン・クランク~最終的にはタイヤを回転させる運動エネルギーへと変換しています。

さて、このガソリンを燃やしたときの燃焼エネルギー(熱エネルギー)を100とした場合の熱勘定は以下のようになります。

  • 運動エネルギーとして取り出せる割合 ⇒ 20~30%
  • 機械的なエネルギーの損失(フリクションロス) ⇒ 5~10%
  • 放射損失 ⇒ 1~5%
  • 排気損失 ⇒ 30~35%
  • 冷却損失 ⇒ 30~45%

タイヤを回転させる運動エネルギーとして使えるのが、全エネルギー中たったの2・3割しかないことがわかります。

ついでに、エネルギーの損失のうち割合の大きい2つは、排気ガスとして捨てているエネルギー(排気損失)と、ラジエーターの冷却液に吸収されるエネルギー(冷却損失)です。

今回、早稲田大学の内藤教授が発明したエンジンはこのガソリンエンジンの2大ムダ、すなわち『排気損失』と『冷却損失』を大幅に軽減できる画期的なものとなっています。 

新発明のエンジンでは従来の2倍以上の熱効率が可能に

熱効率を求める式では混合気(ガソリンと空気の混ざったもの)の圧縮比が高ければ高いほど熱効率が向上するそうですが、内藤教授が着目したのはまさに”圧縮比”。

現在のガソリンエンジンでは、上のモデル図で2番目の工程にあたる圧縮工程で混合気をピストンで押し縮めて圧縮しています。

市販されているガソリンエンジン車の中で、最も高い圧縮比を持つのがマツダのSKYACTIV-G(スカイアクティブ ジー)でその圧縮比は14.0。
対して新開発の圧縮比は、スーパーコンピュータのシミュレーションで30.0ほどの超高圧縮比が可能となっており、熱効率が従来の2倍以上という結果を生み出しています。

高圧縮比を可能とする秘密は燃料の噴射方法です。以下引用。

従来型の始動用セルモーターなどで燃焼室内部を減圧(真空に近づけた状態に)し、外部大気との圧力差によって、大気と燃料を燃焼室に急速吸引し、これによって燃焼室内に音速レベルの高速気流を生成します。
次にその高速気流の噴流群を、燃焼室中心部の極微小領域内で多重衝突することにより、気体を封鎖・自己圧縮させて高温高圧状態にして燃焼させ、それをパルス状に繰り返して超高効率・高出力を得るものです。

簡単に言うと燃料を超高速(音速)で複数噴射し燃焼室の真ん中で衝突させると高い圧縮が得られるようです。

さらに、この方法で燃料を引火・爆発させると燃焼室内の高温ガスが中央付近にとどまり燃焼室側壁やピストンに高温が伝わらず、これまで冷却液に捨てていた熱を運動エネルギーとして利用できることを裏づけています。しかも資料によるとエンジンの冷却装置自体も不要になるかもしれません。

圧縮すればするほど騒音が増えない

新しい方式で燃料を圧縮することによって得られるのは高い熱効率だけじゃありません。「圧縮すればするほど、騒音が増えない」のが特徴という新たな圧縮燃焼方式は騒音と共に振動の発生も低く抑えられる見込みです。

ハイブリッド非搭載でハイブリッド以上の燃費も可能に

まさに「究極の低燃費・高熱効率の小型エンジン」(原文では「究極の低燃費・低熱効率の小型エンジン」ですが間違いだと思われます。)となる新開発エンジン。現在、家庭への電力供給が可能な日産の電気自動車「リーフ」のように、発電機として利用すれば社会全体の電力事情も好転しそうです。

単純に考えて従来エンジンより2倍以上の燃費となる新型エンジン、それだけでハイブリッドカーのトヨタ「アクア」の燃費を軽く上回るはずです。そしてそのエンジンをハイブリッドシステムに利用すれば更なる燃費向上も期待できそうです。

陸・空両用のエアカーも可能に!?

ロータリーバルブを用いたピストンを組み込むことにより、地上での高効率走行から空中でのジェット推進まで幅広く利用可能なエンジンも作れるとのこと。

『007』のボンドカーよろしく高速道路から空へと直接飛び立つ日が来ることになるかもしれません。

ちなみに新型エンジンのネーミングですが、正式名称かどうか分かりませんが『フュージン(Fugine)』と呼ぶそうです。近未来的な感じがしますね。

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内藤 健 研究室

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